こんにちは。経営者のための文章コンサルタント松永弥生です。
今日は「音声入力は機密情報の入力には使わないで!」というお話をします。
アップルやGoogleの音声認識向上率には、目を見張るものがあります。これは私たちが「hey Siri」や「OK, Google」などと話しかけて音声認識させているデータをクラウドに集め、機械学習をもとに精度を向上しているからです。
こうした音声データをテキスト化する作業は、AIが行っています。しかし、音声認識率向上を目的として、その作業の一部を人間が解析していることが明示されていませんでした。
この事実を2019年4月にアメリカのメディア、ブルームバーグが報じました。アップルはその情報を事実と認めました。その結果カリフォルニア州のiPhoneユーザがプライバシー侵害だと集団訴訟を起こしています。
音声認識サービス改善のため会話の一部を業者が聞き分析していたのは、Siriに対するコマンドのうち1%未満。1つの会話はごく短いものであり、主にSiriが適切に起動されているか、Siriに向けられた質問が音声アシストで支援できるか? などが評価されていたそうです。
音声データは、Apple IDと紐付けられておらず、個人が特定されない状態だったとアップルは表明しています。問題は、音声データの解析を人が行う場合があることを、事前にユーザーに明示していなかった点です。
例えば、私は自宅でGoogle homeを使っています。日常会話の中で「Google」という単語を出しただけで、Google homeが反応するのは、よくあることです。
iPhoneでも、Siriが意図しないタイミングで「ご用件はなんでしょう?」と聞いてきた経験がありませんか? そうしたときに気づかずに個人的な会話をしていたら、分析されてしまう可能性があるのが問題視されたのです。
ちなみに人手によるデータ解析をしているのはアップルに限ったことではなく、アマゾンやGoogleも同様です。
問題の指摘を受けて、3社はオプトアウト機能を追加しました。オプトアウトとは、平たく言えば「個人の情報を第三者に提供しますが、同意しますか?」と明記して許可を得ることです。
人が解析していたのは、膨大なデーターの中の1%未満ですから、自分の発言が誰かの耳に入る可能性は、砂漠の中から針を拾うよりもわずかかもしれません。けれども、そのような可能性がごくわずかでもあるのは覚えておいた方がいいです。
その認識があれば、機密情報やパスワード、社外秘などの情報は音声入力してはいけないと考えるのが普通でしょう。
逆に言ってしまえば、私のこのブログのように最終的にネット上にアップするものであったら、音声入力しても何の差し支えもないわけです。
各自の判断で適切に音声入力を使ってください。
参考記事)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-08/PVW28HDWX2PT01
https://japanese.engadget.com/jp-2019-08-04-siri.html
各社の取組)
・“Siriに頼む”、音声入力とプライバシー(公開日: 2019 年 11 月 15 日)https://support.apple.com/ja-jp/HT210657
・Alexaのプライバシー設定の管理https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=GPGRYRZ494GDFPZ2
https://japan.googleblog.com/2019/10/assistant-privacy.html
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=GPGRYRZ494GDFPZ2
項目 | 所要時間(分) | 文字数 |
キーワード出し | 14 | |
音声入力 | 10 | 1076 |
推敲・修正 | 26 | 1668 |
校正(2回) | 7 | 1686 |
タイトル画作成 | 7 | |
アップロード | 5 | 1704 |
計 | 69分 | 1704 |